2017年6月5日月曜日

発熱のないseptic shock疑いの患者では抗菌薬投与が少なく死亡率が増える

The Absence of Fever Is Associated With Higher Mortality and Decreased Antibiotic and IV Fluid Administration in Emergency Department Patients With Suspected Septic Shock

Critical Care Medicine: June 2017 - Volume 45 - Issue 6 - p e575–e582

【概要】
Objective: 発熱のないseptic shock患者では輸血量は少なく,抗菌薬も投与されず,院内死亡率が高くなる
Design: 前向き,観察研究,単施設
Patients: 2012年11月11日~2013年9月23日において,18歳以上,かつ①~③のいずれかを満たす患者を対象にした.①1L輸液投与後でも収縮期血圧90未満,②昇圧剤の使用,③収縮期血圧90未満だが輸液過多の可能性の為輸液制限している場合.発熱は自己申告があった場合もしくは100.4F(38℃)以上と定義した.
Measurements and Main Results: 378人中207人が発熱していた.発熱していない患者は,発熱患者と比較しERでの抗菌薬投与の割合が低く (81% vs 94%; p < 0.01),輸液量も少なく (2,607 vs 3,013 mL; p < 0.01), 院内死亡率も高かった (33% vs 11%; p < 0.01).
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腎臓内科医を志しているものの,やはり感染症は大事です.
今回のstudyでは透析患者も除外されていません.
発熱の有無=感染症の有無ではない,と初期研修医には教えていますが,やはり熱だけでなく全体的な印象が大事なんでしょうね.
今回の論文だとショックバイタルだから,重症度を考慮して培養採取しておけば広域抗菌薬を投与しておく,という選択肢もありかもしれませんが.

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