2018年3月20日火曜日

コーヒーはCKDのリスクを減らす

Coffee Consumption and Incident Kidney Disease: Results From the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Study

AJKD Articles in Press 

■Background
適量のコーヒーは糖尿病などの慢性疾患のリスクを減らすとされるが,コーヒーとCKDの関連は完全には分かっていない.
■Study Design
後ろ向きコホート研究
■Setting & Participants
14,209 人(45~64歳,the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Studyより)
■Outcomes
25%以上の低下を伴うeGFR< 60 mL/min/1.73 m2をCKD発症とし,CKD関連の入院,死亡, 末期腎不全(ESRD)をアウトカムとした.
■Results
中央値24年のフォローで,3845例でCKD発症した.
男性,白人,喫煙者,そして合併症のない人がコーヒー消費量が多かった.
統計学的に食事などを調整したところ,コーヒーの消費量が多いほうがコーヒーを飲まない人と比べてCKD発症リスクが低くなった. (HR for <1 cup per day, 0.90 [95% CI, 0.82-0.99]; 1-<2 cups per day, 0.90 [95% CI, 0.82-0.99]; 2-<3 cups per day, 0.87 [95% CI, 0.77-0.97]; and ≥3 cups per day, 0.84 [95% CI, 0.75-0.94]).
1杯増やすと3%リスクが減る計算になった. (HR, 0.97; 95% CI, 0.95-0.99; P < 0.001).
■Limitations
コーヒー消費量は自己申告であることと,観察研究であること.
■Conclusions
コーヒーを消費する人のほうがCKD発生のリスクは低かった.
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個人的にタイムリーな内容だったので紹介.
よく外来でコーヒーはいいんでしょうか?って聞かれます.
日本にも同様の報告は多いですが,韓国からも報告があって(Korean J Fam Med. 2013 Jul; 34(4): 265–271.),コーヒーは腎機能に良いという結果でした.
砂糖を入れすぎると血糖管理にはよくないと思いますが,こういった結果が多いと患者さんには説明しやすいですね.
NEJMには喫煙などの因子を調整したら全死亡率も低かったという報告もあります(N Engl J Med 2012; 366:1891-1904)
ただ,だからといって取りすぎはやっぱり良くなくて,不整脈や電解質異常の原因だったり(Crit Rev Food Sci Nutr. 2006;46(2):101-23.),横紋筋融解症になったケース(Hum Exp Toxicol. 2014 Aug;33(8):878-81.)もあるので,ほどほどに.

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