2017年6月4日日曜日

クエン酸第二鉄の鉄欠乏性貧血に対する効果

Effects of Ferric Citrate in Patients with Nondialysis-Dependent CKD and Iron Deficiency Anemia

J Am Soc Nephrol 28: 1851–1858, 2017.


【概略】
鉄欠乏性貧血は非透析CKD患者においてコモンなものである.経口による鉄剤の内服は副作用や忍容性から問題なることがあり,静注も様々な危険性が指摘されている.
我々は非透析CKDかつ鉄欠乏性貧血患者での二重盲検化によるランダム化試験を行い,クエン酸第2鉄の効果と安全性の評価を行った.介入群117名,プラセボ群115名で,プライマリーエンドポイントは16週間におけるHb 1g/dl以上の上昇とし,介入群61(52.1%)とプラセボ群22(19.1%)で有意差を認めた(P,0.001).重篤な副作用は差がなく,下痢,便秘を主に認めた.
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クエン酸第二鉄(リオナ®)の貧血に対する効果を調べた論文.
患者背景に違いはなく,CKD satge 3-4がどちらも約8割を占める.
患者の除外基準として4週間以内のESA製剤の使用や輸血,鉄剤の使用などがあり,純粋に介入群の効果をみているように見える.ただ介入群・プラセボ共に開始の時点でリンのコントロールがいい(4.23 vs 4.21)ので,果たしてこの状況でクエン酸第2鉄を使用する意義があるのだろうか….別にクエン酸第1鉄でいい気もしてしまう.
ただ,透析患者でリンの管理が難しくて貧血もあってpolypharmacyになりがちな時には有用かも.

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