2017年6月13日火曜日

eGFR・蛋白尿と癌の関連.

Kidney Function, Proteinuria, and Cancer Incidence: The Korean Heart Study

AJKD article in pressより
http://www.ajkd.org/article/S0272-6386(17)30636-4/pdf

■Background
eGFRと癌のリスクの関連はまだ分かっておらず,蛋白尿と癌の関連も同様である.
今回,前向きコホートで検証を行った.
■Setting & Participants
242,583 人 (30-74歳)の開始時に癌と診断されていない人たちを,1996-2004年から,2012年までフォローした. 
■Predictors
eGFR (≥90, 60-89, 45-59, and <45 mL/min/1.73 m2) と,蛋白尿の定性(undetectable/trace, 1+, 2+, and ≥3+).
■Outcomes
癌の発生
■Results
15,165人が癌を発症した.
eGFRと癌の発生はJ字型を示し,eGFR 45-59で一番低く,eGFR<45の場合全ての悪性腫瘍でリスクがeGFR>90と比べて44%増えた (HR, 1.44; 95% CI, 1.11-1.87).
蛋白尿は定性の程度によって癌発生との相関を見せた. (HRs of 1.24 [95% CI, 1.13-1.35], 1.38 [95% CI, 1.17-1.63], and 1.66 [95% CI, 1.30-2.12] for 1+, 2+, and ≥3+ vs undetectable/trace). 
eGFR<45は,45以上と比較して,腎・尿路系の癌,多発性骨髄腫,白血病が多かった.
蛋白尿は幅広い癌と関連があった(例えば胃,直腸,肝,肺,卵巣,腎,膀胱,多発性骨髄腫)
3年以下のフォローアップを除外すると,eGFRと腎癌・多発性骨髄腫,直腸癌・肝癌・肺癌・卵巣癌と蛋白尿の関連は保たれたままだった.
■Conclusions
特に,蛋白尿と癌の関連が認められた.
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本文はまだ読めてないですが,eGFRもしくは蛋白尿と癌発生の関連を調べた論文.
特に高度腎機能低下例で腎癌と尿路系の癌,多発性骨髄腫が多いことは他の論文でも示されていたと思うけど,蛋白尿はどうだったかな.
何かとニュースを賑わせる,お隣韓国からの報告なので,人種的には参考に出来るかもしれないですね.だからといって蛋白尿が3+だから癌のスクリーニングを積極的にしましょう!とはなりませんけど.どうせならg/gCrで評価して欲しかった.

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