2018年8月28日火曜日

【Pro and Con(賛成と反対)】慢性腎不全における食事療法

【Pro and Con(賛成と反対)】慢性腎不全における食事療法

Pro: The rationale for dietary therapy for patients with advanced chronic kidney disease

Nephrology Dialysis Transplantation, Volume 33, Issue 3, 1 March 2018, Pages 373–378,

■Abstract(抜粋)
食事療法は腎代替療法に近づいているCKD患者に多くの利益をもたらす.
これらの利益の多くは,食事がCKD進行を遅らせるかどうかとは独立している.
食事療法は低蛋白質,ミネラル,そして適切なエネルギー摂取である.
食事療法により,潜在的に毒性をもつ代謝産物の蓄積が減り,体内水分,塩分,カリウム,リン,カルシウムなどの多くのミネラルバランスが健康に保たれ,栄養障害(protein-energy wasting;PEW)を防ぎ,改善するだろう.
また,食事療法により安全に腎代替療法の開始を遅らせることが出来るだろう.
透析開始に関するCKD患者の不安は,食事療法を受け入れ順守させることが出来るかもしれない.

Con: The role of diet for people with advanced Stage 5 CKD

Nephrology Dialysis Transplantation, Volume 33, Issue 3, 1 March 2018, Pages 380–384,

■Abstract(抜粋)
数十年にわたりCKD患者において蛋白制限が行われているが,それは未だ議論のあるものであり,臨床における適応においては多様である.
利用できるエビデンスのバランスに基づき,様々なエキスパートが蛋白制限を論じている.一番大きなRCTはthe Modification of Diet in Renal Disease studyである.
多くの解析があるが,主要評価項目であるGFRの低下については利益を示すことが出来なかった.多くの研究やメタアナリシスに批判があり,それは出版バイアスだったり,代替エンドポイントだったり,疑陽性を生じるものだったりする.
また,以前の論文で認めた利益が,現在の標準治療(RAA系阻害薬による血圧管理など)を受けているCKD患者でも認めるかは不透明である.
このように,低蛋白食がCKDの進行を抑えるかは分かっていない.
日常診療で食事療法を適応するかは重大な疑問が存在している.慎重に研究対象の患者を選んだとしても,食事療法の順守は低い.
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食事療法に対するpro,conがあったので紹介.
今年出版されたCKD 2018 guidelineでも蛋白制限の有用性に言及はあるものの,画一的な指導は不適切,としています.
個人的にはconの立場ですが,proの内容を読んでみて興味深いなと思ったのは,動物性蛋白よりもナッツなどの植物由来がいいのでは,という言及がされていたことです.
カリウム,リンの問題でなかなか難しい面もあるとは思いますが,そういう見方もあるのだなと思いました.
必要なら栄養指導もいいですが,その前に適切な血圧管理(蛋白尿出てるならRAA系阻害薬をしっかり使う)をすることや,喫煙指導のほうがメリットがあるかな,と思います.

2018年8月20日月曜日

腹膜透析と血液透析で認知機能に差が出るのか?

Peritoneal dialysis is associated with better cognitive function than hemodialysis over a one-year course.

Kidney Int. 2018 Feb;93(2):430-438. 

Abstract(一部)
末期腎不全患者の認知機能低下は複雑な内服,食事療法,医学的な意思決定に影響を及ぼす.腎機能が低下するにつれ認知機能も低下する傾向にあるが,透析の開始で認知機能の改善を得たり,腎移植によって回復することさえ認める.
しかしながら,治療法の違いによる認知機能の変化はほとんど知られていない.
我々は,1年間の認知機能を,腹膜透析(以下PD)と血液透析(以下HD)で比較した.
Trail Making Test-Bとd2-Revision-Testを用いて評価し,また,Kidney Disease Quality of Life Short Form Cognitive Function-subscaleを患者が記入した.
271名が組み込まれ,ベースラインと1年後を評価した.
HD患者96名,PD患者101名を,propensity scoreを用い,年齢,併存疾患,教育,雇用状況で調整した.
PD患者はHD患者よりもベースライン,1年後共に良い結果であったが,群間の比較は困難であった.また,HD患者ではPD患者よりも脱落が多く,バイアスがかかる可能性があり一般化は難しい.
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PDとHDで認知機能障害に差が出るのか調べた論文.
自分の翻訳能力の無さにびっくりしつつ,この論文で示されたことはPD,HDで単純に比較はできない事,1年間では差が出ない事,といったところ.
分かりやすいのはこの図です.
一番左は低いほど良好で,右2つは高いほど良好です.
一番右のKDQOL-CFが問診票を使ったやつなんですが,PD患者では低い傾向です.
まぁ臨床的に有意な差かどうか一年くらいではなんとも言えないですし,PD患者のほうがベースラインの認知機能がよいので認知機能の低下を実感しやすい(今まで出来てたものが出来なくなった実感が大きい)というのはあるかもしれません.

さて,この論文に対するcommentaryも出ています(Kidney International (2018) 93, 306–308;)
こちらも脱落の多さ,フォローアップ期間の短さは問題点に挙げています.
同時にstudyの難しさについて言及されています.

こういう分野は良質なエビデンスの構築が難しいですね.

2018年8月13日月曜日

エボカルセト(オルケディア®)はシナカルセト(レグパラ®)に対して効果は非劣勢.消化器系の副作用を減らす傾向.

Head-to-head comparison of the new calcimimetic agent evocalcet with cinacalcet in Japanese hemodialysis patients with secondary hyperparathyroidism

kidney international 2018 Articles in Press

■abstract
二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)は,心血管の石灰化を引き起こし,CKD患者の生存率や生活の質に影響を及ぼす.シナカルセトはSHPTの管理に用いられるが,副作用として消化器症状を引き起こし,内服アドヒアランスの低下の原因となる.それゆえに,より消化器症状の少ないカルシウム受容体作動薬が求められていた.
本論文はphase3,ランダム化,二重盲検化,ダブルダミー法を用いてシナカルセトとエボカルセトの効果と安全性を比較した.
SHPTの日本人透析患者をエボカルセト317人,シナカルセト317人にランダム化し,30週フォローした.
主要有効性評価項目は,28-30週でのPTH 60-240pg/ml達成でエボカルセトのシナカルセトに対する非劣勢(非劣勢マージンは−15%, per protocol set analyses).
エボカルセトでは72.7%,シナカルセトでは76.7%の患者が目標PTHに達した(between-group difference: −4.0% [95% confidence interval −11.4%, 3.5%], for non-inferiority).
消化器系の副作用発生はエボカルセト18.6%,シナカルセト32.8%であった.(between-group difference: −14.2% [−20.9%, −7.5%], significant for superiority).
以上より,エボカルセトのシナカルセトに対する目標PTHへの達成の非劣勢,ならびに,より消化器症状が少ないことが示された.
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透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症治療薬の比較.
シナカルセトが登場してから手術の症例がかなり減った,というのは経験のある医師に教わりました.そんなシナカルセトは消化器症状が副作用として出やすいということがありますが,新治療薬であるエボカルセトは消化器症状を減らす,という結果になりました.
あくまで主要有効性評価項目はPTH値に対する非劣勢であって,副作用の評価ではないということは留意すべきだとは思いますが,シナルセトは消化器系の副作用を訴える事も多く,その場合の選択肢になりそうです.
ただし,消化器系の副作用として複合されていますが,それぞれをみると明らかに差があったのは嘔気と腹部違和感の2項目で,嘔吐・食欲低下・腹満感についてはエボカルセトが好ましい傾向であるものの,明らかな差は示せていません.
このあたりは留意したほうがよさそうですね.

2018年7月9日月曜日

eGFR 30以上ならメトホルミンでの乳酸アシドーシスの頻度は変わらない

Association of Metformin Use With Risk of Lactic Acidosis Across the Range of Kidney Function
A Community-Based Cohort Study

JAMA Intern Med. 2018;178(7):903-910.

Abstract
■Importance
米国では約100万人の2型糖尿病かつCKD患者がおり,ガイドラインで推奨されているメトホルミンの投与がされていない.これは,CKD患者におけるアシドーシスの危険性が不確実であることを反映しているのかもしれない.
■Objective  
eGFRの程度,推移に応じてメトホルミンの使用とアシドーシスによる入院の関係を調べた.
■Design, Setting, and Participants  
Geisinger Health Systemにおける糖尿病患者75413人を2004年1月~2017年1月までのeGFRの経時的変化を用いて評価した.
結果は67578人の新規メトホルミン使用者と,14439人の新規SU薬使用者を
Geisinger Health Systemでの結果を、MarketScan databaseでの新規メトホルミン使用者67578人と新規SU薬使用者14439人で再度検討した.
■Exposures 
Metformin use.
■Main Outcomes and Measures 
アシドーシスによる入院
■Results  
Geisinger Health Systemでの75413人は,平均年齢60.4歳で,51%が女性であった.
2335人が中央値5.7年でアシドーシスにより入院していた(interquartile range, 2.5-9.9 years). 
他の血糖降下薬と比較して,長期のメトホルミン使用はアシドーシスの発生に関与せず(adjusted hazard ratio [HR], 0.98; 95% CI, 0.89-1.08),また,eGFR 45-50mL/min/1.73m2 (adjusted HR, 1.16; 95% CI, 0.95-1.41), eGFR 30-44 mL/min/1.73 m2(adjusted HR, 1.09; 95% CI, 0.83-1.44)でもアシドーシスの発生には関係なかった.
一方で,eGFR 30mL/min/1.73m2未満はリスクが増えていた.(adjusted HR, 2.07; 95% CI, 1.33-3.22). 
結果は新規メトホルミン使用者と新規SU薬使用者を比較しても同様であった.
■Conclusions and Relevance  
メトホルミン使用によるアシドーシスは,eGFR 30mL/min/1.73m2未満と関連があった.
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CKDとメトホルミンによるアシドーシスのstudy.
日本の添付文書だと,中等度以上の腎機能障害には禁忌とあるが具体的な数値はなし.
日本糖尿病学会のHPには,「eGFRが30(mL/分/1.73m2)未満の場合にはメトホルミンは禁忌である。eGFRが30~45の場合にはリスクとベネフィットを勘案して慎重投与とする。」との記載あり(参照)

メトホルミンは他の血糖降下薬と比較し心血管イベントの抑制などで有効性を示せており,現時点では糖尿病治療薬の第一選択である.
第二選択薬については結論が出ていなかったが,2018年米国糖尿病学会の推奨が出た(Diabetes Care. 2018 Jan;41(Suppl 1):S73-S85.)
心血管系の既往がある場合は,SGLT2阻害薬,GLP1作動薬が第二選択になり得るというものになっている.
SGLT2阻害薬は利尿薬の側面もあり,脱水が起こる危険性がある.
この場合,eGFR 30以上でもメトホルミン併用でアシドーシスのリスクが増えないか,という懸念が生じる.
どちらも心血管イベント抑制に有効性が示せているだけに処方機会が今までよりも増えていくと思うが,個々の症例によって副作用のリスクを評価することは忘れない方がいいだろうと思われる.

2018年6月25日月曜日

腎機能低下時(透析含む)のDOAC

Chronic kidney disease and arrhythmias: highlights from a Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) Controversies Conference

kidney international 2018 in press

(以下本文よりかなり意訳して抜粋)
CKD患者は,心房細動などの不整脈を合併しやすい.
だが,このような患者層は,歴史的に,臨床研究において取り上げられることが少ない.
KDIGOではこのようなことを対象にカンファレンスを開催した.
そのカンファレンスの要点に焦点を絞って報告する.
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主に心房細動の抗凝固の内容がまとまっていて参考になります.
本文を参照して欲しいのですが,あまりにもよくまとまっておいたので引用.


以前の記事で透析時のアピキサバンについて言及しましたが,この表でも取り上げられています.
リバロキサバンも取り上げられていますが,いずれもデータ不十分には変わりありません.この表でのワーファリンの目標INRは日本透析学会推奨のINRとは異なりますので注意が必要ですね(日本透析学会は,ワーファリンを推奨していませんが,投与するならINR<2)

今後,この分野もデータが蓄積されていくんでしょうね.

2018年6月4日月曜日

Clinical Question:クレメジン(Kremezin, AST-120)の効果とは?

■CQ:クレメジンの効果とは??


今回はClinical questionとして,尿毒症症状の改善と透析導入の遅延を謳っているクレメジンについてまとめます.

添付文書には下記のように記載されている.
禁忌:消化管に通過障害を有する患者(排泄に支障をきたす恐れがある)
用量:通常,成人に1日6gを3回に分割し,経口投与する.
慎重投与:
1. 消化管潰瘍,食道静脈瘤を有する患者(固体のまま消化管を通過するので,患部を刺激するおそれがある.)
2. 便秘を起こしやすい患者(便秘を増悪するおそれがあり,また基礎疾患に肝障害を有する患者では血中アンモニア値の上昇があらわれることがある.)

■日本ではどうか?
エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013より.
’’球形吸着炭(AST‒120)は腎機能の指標を一部改善させ,CKD の進行を抑制させる可能性があるため,使用を考慮してもよい.(推奨グレードC1)’’
ガイドラインで引用されている文献を参照する.
CAP‒KD 試験(Am J Kidney Dis. 2009 Sep;54(3):459-67.)
60人の保存期CKD患者(Cr 5.0未満)を対象とした試験で,通常通りの低蛋白食&降圧群と,それに加えてAST-120投与(6g/day)した群を1年比較したランダム化試験.
プライマリーアウトカムは複合エンドポイントとして血清Cr,透析や移植,そして死亡を検討した.結果はプライマリーアウトカムでは有意差を認めなかった.
ただし推定CCrの低下速度はAST-120投与群で緩やかであった(0.15 vs 0.12 mL/min/y; P=0.001)
単施設からの報告(Ren Fail. 2008;30(9):856-60.)では,192人のCKD患者を検討し,AST-120投与群(101人)で透析導入時に血清クレアチニンが高く(AST-120 group, 8.2 ± 1.9; non-AST-120 group, 7.6 ± 2.1; p = 0.031),eGFRが低く(AST-120 group, 5.7 ± 1.7; non-AST-120 group, 6.9 ± 2.5; p < 0.001),また,5年生存率はAST-120投与群で有意に高かった(72.6% vs 52.6%, p=0.018).
他の観察研究でも死亡や透析導入といったハードアウトカムに有効性は示せていないものの,AST‒120 により血清Cr 値に基づく腎機能の指標の推移が改善したという報告は多数みられるということで,エビデンスに基づくCKD診療ガイドラインでは上記の推奨になっている.

■海外ではどうか?
KDIGO Guideline 2012では言及なし(そもそも日本以外で採用されていないからでしょうか)
文献的には,1年間でのRCTで腎機能低下(Cr, 透析,移植)に寄与しなかったものの,倦怠感は改善したという報告がある(Am J Kidney Dis. 2006 Apr;47(4):565-77.)
規模の大きなRCTも存在する.
EPPIC試験(J Am Soc Nephrol. 2015 Jul;26(7):1732-46.)は,欧米を中心に約2,000人の保存期CKD患者を対象に, AST-120(9g/day)投与群とプラセボ群について、イベント(透析導入、腎移植、血清クレアチニン値の倍加のいずれか)の発生を主要評価項目として行ったものであり,結果は有意差なしというものだった.副作用も両群で有意なものはなかった.

■結論として
思ったよりもエビデンスは乏しい.特に透析導入を遅らせるという確たる証拠はない.
安全性は比較的高そうであるので,投与するとしたら,尿毒症症状が強い症例(特に倦怠感)には有効かもしれない.


2018年5月14日月曜日

飲水量と腎機能の関係;飲水量増やしても,腎機能改善には寄与しない?

Effect of Coaching to Increase Water Intake on Kidney Function Decline in Adults With Chronic Kidney Disease
The CKD WIT Randomized Clinical Trial


JAMA. 2018;319(18):1870-1879.

Abstract
■Importance  
観察研究では,飲水量の増加は腎機能の改善と関連があるとされる
■Objective  
飲水量を増やすように指導することが,成人のCKD患者における腎機能に影響するか調べた
■Design, Setting, and Participants 
カナダのオンタリオ州における9施設で,ランダム化し,2013年~2017年5月25日まで,CKDG3かつ1日の尿量が3L未満の患者を対象にした.
■Interventions  
316名に飲水励行し,315人の対照群は通常の飲水量を維持するよう指導した.
■Main Outcomes and Measures  
Primary outcomeは12ヶ月後のeGFRの変化.
Secondary outcomesは,12ヶ月後の,血清コペプチン濃度変化・クレアチニンクリアランス,24時間アルブミン尿,患者申告の健康度(最低が0, 最高が10)
■Results  
631人がランダム化された(mean age, 65.0 years; men, 63.4%; mean eGFR, 43 mL/min/1.73 m2; median urine albumin, 123 mg/d)
12名が死亡(飲水励行群:5名,対照群:7名).
590名が12ヶ月フォローされ,飲水励行群では0.6L/dayの尿量増加を認めた(95% CI, 0.5 to 0.7; P < .001). 
eGFRの変化は飲水励行群で-2.2ml/min/1.73m2で,対照群で-1.9ml/min/1.73m2であった(adjusted between-group difference, −0.3 mL/min/1.73 m2 [95% CI, −1.8 to 1.2; P = .74]). 
Secondary outcomesは以下の通り.
plasma copeptin, −2.2 pmol/L (95% CI, −3.9 to −0.5; P = .01)
creatinine clearance, 3.6 mL/min/1.73 m2 (95% CI, 0.8 to 6.4; P = .01)
urine albumin, 7 mg per day (95% CI, −4 to 51; P = .11)
quality of health, 0.2 points (95% CI, −0.3 to 0.3; P = .22).
■Conclusions and Relevance  
CKDG3では,飲水量の増加は12ヶ月後のeGFR低下に影響しなかった.
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飲水量の増加がeGFR低下を抑制するか,を調べた論文.

患者背景が日本人と違いすぎるのは海外だから仕方ないとして,対照群も平均1.9L/day(患者体重より計算すると約0.9ml/kg/hr)の尿量です.介入群は2.5L/dayへ増加.
つまり0.9ml/kg/hr以上に尿量を増やしてもあまり意味がない,ということですかね.
0.5ml/kg/hrのぎりぎりだとどうなのか?ということは疑問点として残ります.
あんまり日本人って飲水しない気がするんですよね.外来でもペットボトル500mlも飲まない人もいますし….これは完全に個人的な印象ですけど.

2018年5月7日月曜日

CKDG4-5における骨代謝マーカー

Diagnostic Accuracy of Biomarkers and Imaging for Bone Turnover in Renal Osteodystrophy

JASN May 2018 29: 1557-1565

ABSTRACT
■Background
腎性骨形成異常症は進行したCKDでよく認めるが,その骨代謝状態は生検でのみ評価される(骨生検がゴールドスタンダード).我々は,骨代謝マーカーとhigh-resolution peripheral computed tomography (HR-pQCT) が骨代謝の状態を予測するか検討した.
■Methods
空腹時のCKDG4-5(透析含む)患者69名,対照者68名の血液でバイオマーカー (intact parathyroid hormone [iPTH], procollagen type 1 Nterminal propeptide [PINP], bone alkaline phosphatase [bALP], collagen type 1 crosslinked C-telopeptide [CTX], and tartrate-resistant acid phosphatase 5b [TRAP5b]) を測定し,また,HR-pQCTでの評価を行った.骨生検は43例のCKD患者で行った.
■Results
全てのマーカーはCKD患者で対照群より高値であった.
低回転型骨代謝を区別するための areas under the receiver operating characteristic curve (AUCs)は,bALP 0.82, intactPINP 0.79, TRAP5b 0.8でiPTH 0.61と比較し良かった.
高代謝回転型では,AUCsはiPTH 0.76で他のマーカーと同等であった.
■Conclusions
バイオマーカー(bALP, intact PINP, and TRAP5b)とHR-pQCTは低回転型骨代謝を区別するのに有用であった.
iPTHは低回転型には有用ではなかったものの,高回転型骨代謝には他の骨代謝マーカーと同等に有用であった.
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CKD-MBDでの骨代謝評価に関する論文.
HR-pQCTは今回は取り上げません.

一般に,CKD-MBDでの骨代謝に関しては,骨生検がゴールドスタンダード.しかし侵襲的であり滅多に行われない.
iPTHは骨代謝に対して感度も特異度も低い.
骨代謝のマーカーは様々なものがある.
骨吸収マーカーとしてcollagen type 1 crosslinked C-telopeptide (CTX)とtartrate-resistant acid phosphatase 5b (TRAP5b),骨形成マーカーとしてprocollagen type 1 N-terminal propeptide (PINP)などがある.

CKD G4-5(透析含む)の30-80歳.除外として,6ヶ月以内の骨折/整形外科的手術,4週以内のリン吸着薬・VitD製剤・カルシウム受容体作動薬の追加/変更,6ヶ月以内の骨吸収抑制剤・骨形成促進剤・ステロイド内服は除外されている.対照としてeGFR 60以上の患者(上記除外項目に加え,骨粗鬆症の診断になっているものは除外)

測定項目は上記骨マーカーなど.骨生検はCKD患者で施行した(49例施行し,適切な評価をされたのは43例)そのうち11例が低回転,15例が正常,17例が高回転型の骨代謝を示していた.

結果は上記で記載の通り.

conclusionでは骨マーカーの有用性を述べていますが,これで臨床が変わるかというと変わらなさそうです.
同時にEditorialに載っている,「The Quest for Better Biomarkers of Bone Turnover in CKD」にも,
’’Do these data nudge forward the paradigm of ROD treatment?
On the basis of the 2017 KDIGO Guidelines, PTH and BSAP can be used in the clinic to identify turnover type because markedly high or low levels identify underlying turnover. In cases when their levels are neither high nor low, bone biopsy is recommended if the results would affect treatment decisions (a none graded recommendation).
Thus, nothing has changed’’
と記載があって,そうですよね,という感想.

2018年4月16日月曜日

CKDG4以降の臨床経過・予後など

Improving the prognosis of patients with severely decreased glomerular filtration rate (CKD G4+): conclusions from a Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) Controversies Conference


Kidney International (2018) In press, Available online 12 April 2018

GFRの低下した患者(G4以降)では,腎不全,心不全含む心血管(CVD)イベント,そして死亡リスクが上昇する.だがしかし,腎代替療法の開始含め,詳細なアウトカムや治療戦略はほとんど知られていない.2016年12月にKDIGO Controversies Conferenceが開催された.GFRが低下した患者における,臨床経過や危険因子を検討した.2年間,4年間での腎代替療法を要する可能性などのモデルを作成した.
また,4つのテーマに沿って論文内で検討した( management of CKD G4+, diagnostic and therapeutic challenges of heart failure, shared decision-making, and optimization of clinical trials in CKD G4+ patients)
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CKDG4以降についての論文.
個人的に一番有用だったのがTiming of clinical outcomes in CKD with severely decreased GFRのツール(http://www.kdigo.org/equation/)
高齢者の透析導入が増えています.CKD診療において蛋白尿,高血圧,血糖の管理などを行うことは当然ですが,一方で,目の前の患者が将来どのくらい透析になる可能性があるのか?という疑問は常に頭にあります.
経時的に診てきた患者さんならGFRの低下具合で推測出来たりもしますが,初診の患者さんだと受診以前のデータが少ないことも珍しくありません.
そうした場合にこういったリスク評価のツールがあることは参考になります.
例えば75歳男性,糖尿病既往なし,心血管イベントの既往あり,血圧はsBP 130程度でコントロールされているeGFR 30の症例だとします.人種の項目が白人もしくは黒人しかないですが…,まぁリスクを高めに見積もるということで黒人にしておきます.
微量アルブミン尿での評価になっているのが実臨床とは即しませんが,500mg/gCrくらいだすると,4年以内に腎代替療法なる可能性が12%,心血管イベント発生が38%,全死亡が36%となり,透析の心配をするより心血管イベントの心配をしたほうがよさそうです.
日本人に適応できるか,という問題は残りますが,非常に簡単に計算してくれるので参考にはなると思います.

下記は上記論文より,個人的なメモ.
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■心不全
CKD G4以降では心不全を合併している患者が多い.
心不全は,EFの低下した(reduced),HFrEFと,EFが保たれているHFpEFに分けられるが,CKD患者ではHFpEFの頻度が多い.
ただし心不全が進行するかどうかは議論が残っている.
CRIC studyでは,腎代替療法の開始によってEFが低下傾向であったが,統計学的有意差はなかった.
CASCADE studyではCKDG3以降で,左室肥大などを認めたが,EFの変化は統計学的には認めなかった.
IDEAL trialでは,心肥大や心機能共に,統計学的に変化を認めなかった(ただしこのstudyでは腹膜透析患者が多い).
ブラッドアクセスでは,内シャントが高心拍出性心不全を起こす可能性を指摘されている.
CKDG4以降のHF患者の管理は,データが限られている.
また,透析患者でのβブロッカーとRAS系阻害薬の処方率は一般的な心不全患者よりも低い.

2018年3月20日火曜日

コーヒーはCKDのリスクを減らす

Coffee Consumption and Incident Kidney Disease: Results From the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Study

AJKD Articles in Press 

■Background
適量のコーヒーは糖尿病などの慢性疾患のリスクを減らすとされるが,コーヒーとCKDの関連は完全には分かっていない.
■Study Design
後ろ向きコホート研究
■Setting & Participants
14,209 人(45~64歳,the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Studyより)
■Outcomes
25%以上の低下を伴うeGFR< 60 mL/min/1.73 m2をCKD発症とし,CKD関連の入院,死亡, 末期腎不全(ESRD)をアウトカムとした.
■Results
中央値24年のフォローで,3845例でCKD発症した.
男性,白人,喫煙者,そして合併症のない人がコーヒー消費量が多かった.
統計学的に食事などを調整したところ,コーヒーの消費量が多いほうがコーヒーを飲まない人と比べてCKD発症リスクが低くなった. (HR for <1 cup per day, 0.90 [95% CI, 0.82-0.99]; 1-<2 cups per day, 0.90 [95% CI, 0.82-0.99]; 2-<3 cups per day, 0.87 [95% CI, 0.77-0.97]; and ≥3 cups per day, 0.84 [95% CI, 0.75-0.94]).
1杯増やすと3%リスクが減る計算になった. (HR, 0.97; 95% CI, 0.95-0.99; P < 0.001).
■Limitations
コーヒー消費量は自己申告であることと,観察研究であること.
■Conclusions
コーヒーを消費する人のほうがCKD発生のリスクは低かった.
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個人的にタイムリーな内容だったので紹介.
よく外来でコーヒーはいいんでしょうか?って聞かれます.
日本にも同様の報告は多いですが,韓国からも報告があって(Korean J Fam Med. 2013 Jul; 34(4): 265–271.),コーヒーは腎機能に良いという結果でした.
砂糖を入れすぎると血糖管理にはよくないと思いますが,こういった結果が多いと患者さんには説明しやすいですね.
NEJMには喫煙などの因子を調整したら全死亡率も低かったという報告もあります(N Engl J Med 2012; 366:1891-1904)
ただ,だからといって取りすぎはやっぱり良くなくて,不整脈や電解質異常の原因だったり(Crit Rev Food Sci Nutr. 2006;46(2):101-23.),横紋筋融解症になったケース(Hum Exp Toxicol. 2014 Aug;33(8):878-81.)もあるので,ほどほどに.

2018年3月1日木曜日

ELAIN trial 1年後のフォロー:死亡率は早期RRT群で低いという結果.

Long-Term Clinical Outcomes after Early Initiation of RRT in Critically Ill Patients with AKI

J Am Soc Nephrol 29: 1011–1019, 2018

■Abstract
重症患者におけるAKIで,RRTを早期に開始することが患者のアウトカムを改善するかどうかは議論となっている.我々はELAIN trialの対象の内,230人(99.6%)の患者のフォローを1年間に延長した.プライマリーアウトカムは1年後での,腎イベントの複合とした(持続する腎障害,透析依存,そして死亡率).セカンダリーアウトカムは炎症マーカーを含めた.
ELAIN trialにおける患者で,プライマリーアウトカムは,early群では111人中72人(64.9%)で,delayed群では119人中106人(89.1%)であり有意差を認めた (odds ratio [OR] with early initiation, 0.23; 95% confidence interval [95% CI], 0.11 to 0.45; P< 0.001).
1年間での全死亡率はearly群で111人中56人(50.2%)で,delayed群は119人中83人(69.8%)であり,有意差を認めた.(absolute difference, −19.6%; 95% CI, −32.0% to −7.2%; P<0.01). 
1年後生存していた患者の内腎機能が回復しなかったのは,early群では55人中16人(29.1%), delayed群では36人中23人だった.(absolute difference, −34.8%; 95% CI, −54.6% to −15.0%; P=0.001). 
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ELAIN trial後,1年を経てフォローしたらどうなったか,という報告.

ELAIN trial(JAMA. 2016 May 24-31;315(20):2190-9.)を簡単におさらい.
→ランダム化,単一施設での研究
 inclusion criteria
 (1) 18-90歳でKDIGO stage 2,(2) NGAL>150ng/ml
 (3) 下記のいずれかを持つ.
 重症敗血症,昇圧剤の使用,過剰輸液(肺水腫,P/F<300mmHg, 体重10%以上の増加),腎臓以外の臓器障害の進行(SOFA>2)
 exclusion criteria
 CKD(GFR<30), RRTの既往,妊婦,腎移植後,肝腎症候群,好中球減少している血液悪性疾患,AIDS,特殊なAKI(腎炎,血管炎,TTPなど)
→Early群:KDIGO stage2となり8時間以内に開始
 Delay群:KDIGO stage 3となり12時間以内に開始
      もしくはいずれかで透析開始(BUN>100mg/dl, K>6mEq/lか心電図異常あり,Mg>8mEq/l, 尿量200ml/12h, 臓器浮腫(割り付け前に1回利尿薬投与))
→Primary outcome:90日死亡率…Early群で15%程度低い(44% vs 65%)
問題点:単一施設の結果である,Early群とDelay群で20時間程度しか変わらず(結果に差が出るほどの時間の違いとは思えずバイアスがある可能性),Delay群でも90%がRRT施行されている(108/119人),割り付けの時点で体液過剰や肺水腫の患者が多い(volume overloadを透析開始の基準にすると約8割が緊急透析の適応),術後の患者が多い

といったもの.その1年後はどうか,という趣旨.
状態が悪い患者が多かったことを反映しているのかもしれないですが,両群ともに1年後の時点で死亡率高くないでしょうか?
もともとのELAIN trialもearly群のほうが死亡率低かったので1年後もearly群がやっぱり良かったよ,という感じなんですが,ELAIN trial自体もいろいろ問題点がありますし….
外科術後の患者さんでAKI起こしてRRTしたときに,フォローアップの参考材料にはなるかもしれません.

2018年2月17日土曜日

デスモプレシンの使用有無が低Na血症の予後に関与するか

Outcomes in Severe Hyponatremia Treated With and Without Desmopressin

Am J Med. 2017 Oct 20. pii: S0002-9343(17)31043-4.

Abstract
■BACKGROUND:
重度の低Na血症における過剰補正は浸透圧性脱髄症候群(osmotic demyelination syndrome, ODS)の発症に関わる.デスモプレシンは低Na血症において,過剰補正を抑えることが出来る.この論文では,デスモプレシン使用の有無(使用法の違い含む)でアウトカムを比較した.
■METHODS:
後ろ向き観察研究,カナダのトロントにおいての2施設で,2004-2014年に低Na血症(<123mEq/L)で入院した全ての患者を対象とした.
プライマリーアウトカムは安全なNaの補正と規定した (24時間以内の補正が≤12 mEq/L,48時間以内の補正が≤18 mEq/L).
■RESULTS:
1450例が対象となった.デスモプレシンは254例(17.5%)に使用された.
デスモプレシンはNaの補正速度を減らしたが,デスモプレシン投与群では安全にNa補正できた患者数が少なかった (174 of 251 [69.3%] vs 970 of 1164 [83.3%]).
この結果はデスモプレシン投与前の過剰補正が大きく影響したと考えられた.
デスモプレシン投与群では,多くがNa補正速度に応じて反応性(reactive strategy)に投与された. (174 of 254 [68.5%]).
1450例中4例がODSを疑われた (0.28%).
交絡因子によると思われるが,デスモプレシン投与群では死亡率が低かった(3.9% vs 9.4%)
Proactive strategyによるデスモプレシン投与により,デスモプレシン投与群のほうが入院期間が長かった.
■CONCLUSIONS:
観察研究だが,これらのデータはODSの平均的なリスク患者において,reactive strategyでのデスモプレシンの使用を支持するものである.
デスモプレシンの低Na血症における更なる試験が必要である.
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低Na血症におけるデスモプレシン使用の論文.
proactive strategyは,来院時のNa濃度に応じて,Naの推移を見る前にデスモプレシンを投与する方法(デスモプレシン投与群の11%).
reactive strategyは,尿量が増えたりNa濃度が増えたらデスモプレシンを投与する方法(デスモプレシン投与群の68.5%).
rescue strategyはNaが補正速度を超えた場合に投与する方法(デスモプレシン投与群の18.1%)
proactive投与って一般的ではないと思いますが・・・.本論文でもreactiveの投与法が多いですね.また,デスモプレシン投与群の方が尿中の浸透圧や尿中Na濃度が低いです.これも自由水排泄が亢進している病態でデスモプレシン使用を検討すると捉えれば,理にかなっていると思います.

デスモプレシン使うと補正速度が抑えられる,というのは当然だと思います.
一方で,rescue strategyで24時間以内での補正が間に合わず過剰補正が多かった結果になっています.
ただし,この論文ではNaフォローがどのタイミングで行われていたのか記載がありません.
2014年に発表されたガイドライン(Eur J Endocrinol. 2014 Feb 25;170(3):G1-47.)では確かエキスパートオピニオンで,最短で4時間のフォローになっており,この頻度でフォローすればそこまで過剰補正にならないと思います.また,4時間も目安であり,過剰補正を懸念するならば例えばA-lineを入れて2時間毎フォローでもいいわけです.なのでrescue群ではNaフォローの間隔が長かったのかな?と思うわけです.
でもrescueでのデスモプレシン使用により,48時間以内の補正速度が適正な例が60%いるので,デスモプレシンの有用性はあります.
なので本論文から積極的にデスモプレシンを使った方がよいとは言えないと思うのですが,過剰補正が予測され,かつ自由水投与に限界がある場合(体液過剰や血糖値を気にする場合など)はデスモプレシン投与を検討する,といったところでしょうか.
今までのプラクティスと大きな流れでは変わらなさそうです.

2018年1月21日日曜日

ICUでの透析導入は,CRRTの方が腎予後によいかも

Renal Replacement Therapy Modality in the ICU and Renal Recovery at Hospital Discharge

Critical Care Medicine: February 2018 - Volume 46 - Issue 2 - p e102–e110

■Objectives
透析を要する急性腎傷害は,ICUの大きな関心である.IRRTで開始,それともCRRTで開始するのかということは,腎機能の回復に影響を与えるかもしれない.
本研究では,透析導入時のモダリティが退院時の腎機能回復に影響するかどうかを検証した.
■Design
後ろ向きコホート研究で,2010年1月1日~2013年12月31日の期間,フランスの全ICUでAKIに対して血液透析を要した全ての症例を検討した(codeでの記載)
■Setting
フランスの291施設のICUが対象
■Patients
1,031,120例のうち,58,635例がAKIでRRTを施行され, 25,750例が今回の研究に組み込まれた.
■Interventions: None.
■Measurements Main Results
退院時に生存しており,IRRTもしくはCRRTを受けた患者を対象にした.
腎回復は,退院前にRRTなしで3日以上経過したものとした.
全死亡率は56.1%で,腎回復は86.2%であった.
IRRTは退院時の腎回復する可能性が低かった(odds ratio, 0.910 (95% CI, 0.834–0.992) p value:0.0327)
■Conclusions
本研究では,IRRTは,退院時の腎回復の可能性が低いことと関連した.
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ICUでの透析に関する話題.フランスでAKIに対してRRTした症例を調べたら,IRRTだと腎回復する人が少なかったよ,という結論.

患者背景が全て吟味されているわけじゃないし,透析導入の基準も示されていない(電解質の問題なのか,尿量の問題なのか,体液の問題なのか,等)ので,すぐに臨床を変えるほどのインパクトはない.
外科的手技を受けた人がIRRTもCRRTも3-4割いるので,純粋な内科患者には適応できない(どんな手術だったかも記載なし.シャント??)
有意差が出たのは単純に症例数が多かっただけかも.
ただ以前には,急性肝不全ではCRRTのほうがいいかもしれないという報告もあるので,今後特定の患者層にはCRRTのほうがいい,なんて論文も出てくるんでしょうか.