Renal Replacement Therapy Modality in the ICU and Renal Recovery at Hospital Discharge
Critical Care Medicine: February 2018 - Volume 46 - Issue 2 - p e102–e110
■Objectives
透析を要する急性腎傷害は,ICUの大きな関心である.IRRTで開始,それともCRRTで開始するのかということは,腎機能の回復に影響を与えるかもしれない.
本研究では,透析導入時のモダリティが退院時の腎機能回復に影響するかどうかを検証した.
■Design
後ろ向きコホート研究で,2010年1月1日~2013年12月31日の期間,フランスの全ICUでAKIに対して血液透析を要した全ての症例を検討した(codeでの記載)
■Setting
フランスの291施設のICUが対象
■Patients
1,031,120例のうち,58,635例がAKIでRRTを施行され, 25,750例が今回の研究に組み込まれた.
■Interventions: None.
■Measurements Main Results
退院時に生存しており,IRRTもしくはCRRTを受けた患者を対象にした.
腎回復は,退院前にRRTなしで3日以上経過したものとした.
全死亡率は56.1%で,腎回復は86.2%であった.
IRRTは退院時の腎回復する可能性が低かった(odds ratio, 0.910 (95% CI, 0.834–0.992) p value:0.0327)
■Conclusions
本研究では,IRRTは,退院時の腎回復の可能性が低いことと関連した.
---------------------------------------------------------------------------
ICUでの透析に関する話題.フランスでAKIに対してRRTした症例を調べたら,IRRTだと腎回復する人が少なかったよ,という結論.
患者背景が全て吟味されているわけじゃないし,透析導入の基準も示されていない(電解質の問題なのか,尿量の問題なのか,体液の問題なのか,等)ので,すぐに臨床を変えるほどのインパクトはない.
外科的手技を受けた人がIRRTもCRRTも3-4割いるので,純粋な内科患者には適応できない(どんな手術だったかも記載なし.シャント??)
有意差が出たのは単純に症例数が多かっただけかも.
有意差が出たのは単純に症例数が多かっただけかも.
ただ以前には,急性肝不全ではCRRTのほうがいいかもしれないという報告もあるので,今後特定の患者層にはCRRTのほうがいい,なんて論文も出てくるんでしょうか.